ブックタイトルリフォーム・メンテナンス 技能者育成テキスト

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概要

リフォーム・メンテナンス 技能者育成テキスト

Ⅰ-1第1章内装多能工の必要性と育成方法1-1 内装多能工の必要性内装多能工の必要性の背景には、リフォーム・リニューアル市場の拡大と、少子高齢化に伴う技能者不足や建設現場での生産性向上、技能者自身の地位向上等が大きく影響している。内装多能工と呼ばれる中には、新築マンションや戸建住宅等において、部材、設備等が規格化・統一化され、工法も機械化が進み組立工的に複数の工種にまたがる作業を実施する「多能工」が存在する。これらは単純多能工とも呼べる極めてシステム化された現場での話である。しかし、リフォーム・リニューアル工事が真に求めているのは、これら単純多能工では無く規格化・システム化出来ない工程を複数にわたって実施する言わば「純粋多能工」であり、「リフォーム内装多能工」と呼ぶのが最も適切と思われる技能者である。リフォーム・リニューアル工事の場合、もちろん大規模な工事もあるが、そのほとんどは戸建住宅やマンション工事であり、中・小規模と言える。中・小規模工事の場合、工種ごとに技能者を入れ替えては、工種間の接続部分に大きな無駄が生じ生産性は落ち込む事になる。さらに、その技能者が外注の場合、その落ち込みは倍加する。また、リフォーム・リニューアル工事の場合、施主のほとんどが一般市民であることが多く、個人を相手にすることになり、しかも現在の生活空間を維持しながらの工事になるため、いわゆる「出入りの職人」数は限定した方が好まれる。これらの事を解決する方策として、「多能工」の必要性が認識されつつあり、しかも事業主は「多能工」を直接雇用した方が有利と感じている。一方、リフォーム・リニューアル工事に携わっている技能者の方も、工事規模が限定されているだけに、自分が単純工であれば働く機会が限定されるが、「多能工」であれば働く機会も増え、しかも生産性向上にも貢献できる事が理解しやすく、多能化の必要性を感じている。したがって、最近のリフォーム・リニューアル工事拡大の状況下では、「内装多能工」は時代の要請とも言える。将来的な「リフォーム内装多能工」に求められる技能者像は、内装工事に係る「間仕切り工事」「天井工事」「ライフライン工事(設備、電気工事)」の主要工事を統合・連携してリードできる棟梁的な能力を有する人材と考える。施主の求める高い品質や効率かつ経済性などを考慮すると、内装工事に係る各種の工事に対しバラバラに対応するのでなく、統合的に対応が求められるからである。具体的には、関連工事に係る全体施工図の把握や施工墨出し、工程調整、品質管理などを一元的にリードしていく棟梁的な技能者であると考えられる。よって、本テキストでは、将来的な必要性にも配慮しながら作成するものとする。