ブックタイトルリフォーム・メンテナンス 技能者育成テキスト
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リフォーム・メンテナンス 技能者育成テキスト
Ⅰ-21-2 内装多能工の育成方法人材育成の目的達成に向けた知識・技能・技術の習得に関しては一つの方向へ収斂されていく。しかし、その育成方法となると、一人ひとりの能力や個性、経験等に配慮が必要であり、ひとつの方法へ収斂するより、むしろ拡散の方向へ進む。「内装多能工」の育成に関しても、これしかないと言えるようなベストの方法を示す事は困難である。したがって、本書では富士教育訓練センター等の教育訓練機関における「多能工」育成教育訓練の経験を踏まえ、「多能工」及び「内装多能工」を育成する場合に考慮すべき事項について述べる。1-2-1 「多能工」育成の基本課題技能は、それを使う場所があってこそ意味があり熟練度が増す。「多能工」を育成する場合、基本的課題はここにある。「多能工」を育成したとしても、その技能を継続的に発揮できる場所を維持できるかが大きな課題である。したがって、「多能工」育成を図る場合、自社の受注力も検討した上で、継続して施工できる工事内容を十分に分析してから取り組むべきと思われる。土木の場合は、仕事内容が「多能工」向きであり、育成しやすい環境にあると言えるが、建築の場合仕事内容が細分化されているだけに、慎重さが要求される。1-2-2 「多能工」に求める職種・技能「多能工」は複数の職種・技能の組み合わせであるだけに、いくつもの姿があり、これが「多能工」であるという一つの姿をイメージする事は困難である。したがって、育成を検討する場合は一般論を排し、最初から具体論で入るべきである。個々の企業において、多能化を図る技能者本人のレベル・経験等と「多能工」に担当させたい工事内容・職種の双方を具体的に検討し、求める職種・技能を決定すべきである。1-2-3 「多能工」を育成する環境「多能工」の育成は、具体的に個々の現場における業務改善活動・コスト低減活動等の中で取り上げ、技能者にもその必要性を理解させながら進めるべきと思われる。したがって、現場で「多能工」を指導・管理する職長や施工管理者の役割も非常に重要であり、この立場の人達が「多能工」のメリットを理解していない限り、育成は不可能と言っても過言ではない。また、「多能工」は技能者にとっても新しい姿であり、モラル維持が成否の鍵だけに、直接雇用の意欲ある技能者を教育して進めるべきであり、外注に期待するのは無理と思われる。1-2-4 「多能工」は未経験者から育成すべきか土木の場合は、前述したとおり、仕事内容が「多能工」向きであり、継続して同様の仕事を実施するため、未経験者から多能化を図っても定着しやすいといえる。しかし、建築の場合、仕事内容が細分化されており、継続して同様の仕事を実施するケースが少なく、複数職種の技能を同時に一定のレベルまで引き上げるには、相当の時間的経過が必要であ。その間、技能者本人は熟練技能を一つも取得していないと評価されるため、モラル(やる気)の維持が出来ず離職するケースが多い。したがって、建築の場合、未経験者にはまず企業が求める